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義務教育は何を教えるべきか

陰湿凄惨な事件が起こるたび、メディアはその異常性を強調して伝え、人々は「怖い世の中になった」と嘆きながら人間不信になって行く。変質者が多く出るようになれば防犯ブザーを持ち、泥棒が多くなれば鍵を増やし、詐欺に会わないようにセミナーを受ける。しかしそれらの行動は所詮、自分や家族が被害にあわないように装備を厚くして一時の安心感を得ているに過ぎず、自己保身的な考え方は多くの犯罪者心理とさほど変わらないのではないか。

事件を愚かな人間が起こしたものだと捉えればそれで終わりである。しかしその愚かな人間が何故発生したのかを考察していけば、我々が形成している社会環境にも多大な責任があることは逃れようも無く、それを踏まえたうえで根本的な解決を図っていかなければならない。

では愚かな人間を作らないためにはどうすればいいのか。

健全な社会環境が大人によってもたらされれば、大人の背を見て育つ子供は、同じようにとは言わないまでもその影響を受けた大人になるだろう。しかし現状の社会は「ダメな大人がダメな大人をつくる」悪循環になっている。この連鎖を断ち切るためには、なによりもまず大人が自らを律し理性のあるまっとうな大人に変わらなければならない。自ら変えられないなら他の大人が大人を指導する教育も必要だろう。

そして「三つ子の魂百まで」とは大げさな例えだけれども、やはりまっとうな大人をつくる基盤になるのは子供の教育である。そこでメインになるべきは親や周りの大人が与える「指導」であると思うのだが、現状の大人がこんな状態であるうちは暫定的に公的機関がその役目を代行することになるのもやむを得ないのではないだろうか。

現状の義務教育がその役を担いきれているかどうかは、現社会が物語っているどおりであるが、無能力教師の増加や学級崩壊など指導の前提にも及ばない状態は、嘆かわしいを通り過ぎて危機感すら感じる。教師や学級のあり方を本腰入れて早急に改善していかないと、ちんたらやっている間にも子供はどんどん年を経て大人になってしまうのだから。

教育現場の問題もさることながら、文部科学省が規定する学習指導要領は現況に全く則していないと言わざろう得ない。詰込教育もゆとり教育も所詮経済的な国際競争力を意識しての論議でしかなく、全く次元の違う話だ。国が内部から腐り滅ばないために今最優先して教育すべきは「社会で人として生きること」これに尽きる。

そういう観点で見れば、社会に適応して生きるための最低限の技術を教えることは確かに利にかなっている。例えば、ひらがな、カタカナ、基本的な漢字、+-×÷算、分数、水泳、体操などなど。しかし、現教育では本当に義務教育で必要なことか疑いたくなるようなことに多くの時間が割かれている。例えば、古文や漢文を読み解く技術がどれほど役に立つのか、聖徳太子が何をやったとか平安京がいつできたとか知って何のの役に立つのか。そんなことより現状の地域社会や世界がどのように成り立っていて、どのような問題があるのか詳しく知る事のほうがよっぽど重要だし、長距離走なんかできなくても良いから人工呼吸や応急処置をして人を救う訓練をした方が社会の役に立つだろう。そもそもいつまでも教科の区切りでどうこうやっていることがナンセンスなのだ。現実の社会に教科の線引など無いのだから。

現義務教育のもう1つの大きな欠陥は、人間教育・道徳教育の軽視である。相手を尊重することや社会に奉仕する事などは何にも替えて重要な教育だと思うが、どれほど実行されているだろう。うわべの協調性ばかり説いて国旗掲揚や国歌斉唱やったところでまったく本質を欠いているし逆効果としか言いようがない。それよりも、地元でいろいろな仕事をしている大人を週に1回でも連れてきて、仕事に対する思い入れだとか生きがいだとか人生観だとかを子供たちに向かって話してやったらどうだろう。人によって考え方が違うこともかえって人生を考える上でいい刺激になるのではないだろうか。また大人が子供の教育に関心を持ち自らの姿勢を正すきっかけにもなり得るだろう。

ただし人間教育・道徳教育については注意が必要だ。教育の名の元に非常に偏った価値観を洗脳してしまう危険性もあるからだ。北朝鮮や戦前の日本がそうであったように。またミッション系スクールによる義務教育も個人的には反対である。平和教育がされているとはいえ、物心つく前の子供に「あれが神だ、祈りなさい」と教えるのは非常に危険だと考えるからだ。いずれにしろこれは国や学校あるいは一部の組織だけではなく一般の地域住民(世論)も巻き込んだ幅広い観点から企画実行されるべきだ。

お久しぶりです
コメント及びTBありがとうございました。唐瀬人さんの問題提起にはしばしば、はっとさせられます。まあ私の稚拙な表現力では上手く言えませんが、ほ~んとに根っこの部分では同じことを思っているのかもしれません(便乗してスイマセン)
うなづきつつ、脳みそにしわを刻むように読ませて頂きました。
有難うございます。
コメント有難うございます。

こちらこそ、自分の表現能力の無さにつくづく嘆いております。それも当然ですね、最近は横書きの技術書ばかりで、縦書きの本はしばらく読んでいませんからね。

ところで、kame様が紹介されていた「陰日向に咲く」、面白そうですね。是非時間が割ければ読んで見たいと思いうのですが、なかなかいそがし。。。こういう言い訳はダメですね。
自分の主張したいことが説得力ある言葉で表現されている文章に接し我が意を得たりという感じです。自分も36年教育の仕事に携わってきた者でありますが、全く同感です。
この文章を一人でも多くの日本人に読んでもらいたいものです。何か方法はありませんかね.
国民の価値観で
kounit 様

コメント有難うございます。
出張等、諸々の理由でご返事が遅れてしまいまして申し訳ありません。

義務教育で何を教えていくかは結局のところ国民の価値観の反映といってもいいと思います。私は国民のGDPが小さくなってもかまわないから平和で互いに気持ちよく暮らせる社会になればと思いますが、国民全体で見れば「所得追求」が未だ大勢なのかもしれません。

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